平成30年度版!キャリアアップ助成金の改正内容とは?➀
2018年4月13日 カテゴリー: コラム
美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。
全国で春一番が吹き、いよいよ春が近づいてきましたね。そして、平成29年度もそろそろ終わりですね。
今回は、来る平成30年度(2018年度)に改正予定のある「キャリアアップ助成金」の改正点をわかりやすく解説していきます。
※この記事の内容は平成30年度予算の成立及び雇用保険法施行規則の改正が前提のため、今後変更される可能性もありますのでご注意ください。
【そもそもキャリアアップ助成金とは?】
キャリアアップ助成金とは、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善の取組を実施した事業主に対して支給される助成金のことです。
もっとわかりやすく言うと、会社がアルバイトやパート、派遣社員など正社員以外の従業員に対する待遇を良くしたり、正社員として雇用したりすることでもらえる助成金です。
キャリアアップ助成金には、企業の規模やニーズに合わせ8つのコースがあります。
平成30年度(2018年度)の改正で制度変更があるのは、太字になっている4コースとなっています。
1.正社員化コース 2.人材育成コース 3.賃金規定等改定コース 4.健康診断制度コース 5.賃金規定等共通化コース 6.諸手当制度共通化コース 7.選択的適用拡大導入時処遇改善コース 8.短時間労働者労働時間延長コース |
【平成30年度版!キャリアアップ助成金の改正内容とは?】
今回改正される4コースについて、各コースの概要と具体的な改正内容について説明していきます。
<➀正社員化コースの概要>
正社員化コースとは、有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成金が支給されるコースです。
正社員化コースの助成額は下記の通りです。
① 有期→正規:1人当たり57万円<72万円> (42万7,500円<54万円>) ② 有期→無期:1人当たり28万5,000円<36万円> ③ 無期→正規:1人当たり28万5,000円<36万円> ※< >は生産性の向上が認められる場合の額、( )内は大企業の額 ※<①~③合わせて、1年度1事業所当たりの支給申請上限人数は15人まで> |
これでは少し見にくいので、下に早見表を載せておきます。
早見表 ()内は中小企業以外(大企業)の金額
生産性要件を→ 転換パターンは↓ | 満たさない | 満たす |
➀有期→正規 | 57万円 (42万7,500円) | 72万円 (54万円) |
➁有期→無期 | 28万5,000円 (21万3,750円) | 36万円 (27万円) |
➂無期→正規 | 28万5,000円 (21万3,750円) | 36万円 (27万円) |
★生産性要件とは? これは企業の生産性向上に向けた取り組みを支援するために設けられた要件で、下記3つの要件を満たすと労働関係助成金(雇用関係助成金)の助成額や助成率がアップするというものです。
(1)助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が下記A・Bのいずれかに当てはまること A.その3年度前に比べて6%以上伸びていること B.その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること ※ただしBの場合、金融機関から一定の「事業性評価」を得ている必要があります。「事業性評価」とは、助成金を申請した事業所が、与信取引等をしている金融機関から 得ている評価のことです。金融機関は事業所について、市場での成長性、競争優位性、 事業特性及び経営資源・強み等、様々な事業の見立てを基に評価します。
(2)「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないこと
(3)「生産性要件算定シート」および各勘定科目の額の証拠書類(「損益計算書」、「総勘定元帳」など(個人事業主の場合は確定申告書Bの「青色申告決算書」や「収支内訳書」など)の提出をすること
「生産性要件算定シート」は厚生労働省のホームページに用意されています。 |
★中小企業について キャリアアップ助成金の中での「中小企業」は下記のように定義されています。
この範囲を超えるものは大企業とされますのでご注意ください。 |
<➀正社員化コースの改正点>
◆改正点1:支給申請上限人数アップ
1年度1事業所あたりの支給申請上限人数が15人から20人に拡充されました。是非とも活用していきたいですね。
◆改正点2:支給要件の追加(1)
「正規雇用等へ転換した際、転換前の6ヶ月と転換後の6ヶ月の賃金総額を比較して、5%以上増額していること」という支給要件が追加されました。
ここでの賃金総額とは賞与や諸手当を含む総額を指します。ただし、 諸手当のうち通勤手当、時間外労働手当(固定残業代を含む)及び歩合給などは除きます。
また、所定労働時間が異なる場合には1時間あたりの賃金で比較します。
(例)転換前6ヶ月賃金の合計=20万円×6ヶ月=120万円 転換後6ヶ月賃金の合計=21万円×6ヶ月+賞与20万円=146万円 の場合 (146万円-120万円)÷120万円×100=21% となり、5%以上増額となっているため要件を満たしています。 |
実は今回の改正以前からパート社員の方たちを有期から無期に転換する際は、この5%要件が設定されていました。
徐々にハードルが引き上げられていく傾向にあるため申請を考えている事業主様は早めに申請することをお勧めいたします。
◆改正点3:支給要件の追加(2)
「有期契約労働者からの転換の場合、対象労働者が転換前に事業主で雇用されていた期間を3年以下に限ること」という支給要件が追加されました。
長らく有期契約労働者であった人については支給対象外になってしまうので注意が必要です。
次回のコラムではその他のコースの概要と改正点を解説していきます。
平成30年度(2018年度)のキャリアアップ助成金の改正内容について解説してきましたが、助成金の内容は変更されることが多々あります。
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