自社の人事評価制度等をしっかり整備し実施すると助成金がもらえる人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)とは?
2018年8月30日 カテゴリー: コラム
美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。
今回ご紹介するのは人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)で厚生労働省が主体となり今年度より運用されている助成金です。
本助成金は生産性向上のための能力評価を含む人事評価制度の整備および定期的な昇給等によらない新たな賃金制度を設けることにより、労働者の生産性の向上、賃金アップを実現し、離職率の低下を図る目的で実施されています。
正しい能力評価に起因する離職率の低下は結果的に人材不足の解消にも繋がるので、企業、労働者にとってもWin-Winになれる助成金といえます。
※平成29年度まで実施されていた「職場定着支援助成金」、「人事評価改善等助成金」、及び「建設労働者確保育成助成金」の一部コースを整理統合し、「設備改善等支援コース」を創設後、「人材確保等支援助成金」として平成30年4月1日から新たに運用開始されています。
1.受給金額
本助成金は要件に応じて下記2項目の助成金が支給されています。
(1)制度整備助成…50万円
・生産性向上のための能力評価を含む人事評価制度
・2%以上の賃金のアップを含む賃金制度
この2点を整備し、実施した場合に支給されます。
(2)目標達成助成…80万円
制度整備助成に加え、人事評価制度等整備計画の認定申請から3年経過後に人事評価制度等の適切な運用を経て、
・生産性の向上及び労働者の賃金の2%以上のアップ
・離職率の低下に関する目標
これらのすべてを達成した場合に支給されます。
2.受給要件
上記2つの助成金を受給するためには、次の措置を実施することが必要です。
(1)制度整備助成
①人事評価制度等整備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受けることが前提です
人事評価制度等を整備する月の初日からさかのぼって、6か月前~1か月前の日の前日までに計画を提出することが条件です。
②人事評価制度等の整備・実施
①の人事評価制度等整備計画に沿って制度を整備した上で、実際に雇っている労働者にたいして人事評価等を実施します。
(ここでいう労働者とは)
○雇用期間のない従業員もしくは一定期間内で雇用されたものの継続雇用により事実上期間の期限がなく雇われている従業員と同等と認められる者
○事業主に直接雇用されている
○雇用保険被保険者(「短期雇用特例被保険者」「日雇労働被保険者」を除く)
と定められています。
また実際の制度については
○評価の対象と基準・方法が明確であり、労働者に開示されている
○評価が年1回以上行われる
○賃金表を定めている
等々、決められており、今助成金の目的に反する行為=労働者の賃金の額の引下げを行う等の行為を実施した場合は助成の対象とはなりません。
(2)目標達成助成
①制度整備助成にて取り決められた措置を実施した生産性要件を満たす
ここでいう生産性とは計画認定申請日の属する会計年度の前年度とその3年後の会計年度を比べて「生産性」が6%以上伸びていることです。
生産性 =付加価値(=営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)/雇用保険被保険者数
であり、要するに分子である社員の給料や会社利益をあげれば生産性は伸びていきます。
②離職率を目標値以上に低下させる
本助成金の目的でもある離職率の低下が絶対条件となります。
計画値に立てた数値やその他の条件により目標数値は変更しますが、対象期間中に事業主都合による離職者を発生させた場合は助成金対象外となります。
③毎月決まって支払われる賃金を2%以上増加させること
これも従業員の給料アップによる生産性向上を目指す今制度の目的に沿った要件です。
目標達成助成は制度整備助成よりもクリアするハードルは高いですが、その分支給される助成金も高いのが特徴です。
いかがだったでしょうか。
本助成金は支給要件も細かく設定されており、提出に求められる書類も多いため、申請の際は是非ベネフィット社会保険労務士法人までご相談することをお勧めいたします。
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