不妊治療と仕事を両立!働く人のチャイルドプランサポート事業について
2019年3月21日 カテゴリー: コラム
美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。
不妊症という言葉はご存知でしょうか。
一般的には「妊娠を希望し、1年間妊活を行っているにも関わらず妊娠の成立を見ない場合」とされています。
不妊症は一般的な病気とは根本が違い、痛みや不快感がなく、なおかつ検査でわかることがあまりに少ないため、原因の特定が難しいとされています。
また不妊症の治療は女性の生理周期によって行うこと、治療の段階で頻繁に検査が必要になったりすること、その他様々な要因があり、事前に会社に休みを申請して通院を行うことが非常に難しいのです。
そのため、「まわりに迷惑をかけて心苦しい」という理由から、
仕事と不妊治療の両立が難しく退職せざるをえないという女性の方が多いことも事実です。
今回はそんな不妊治療と仕事が両立できるよう自社従業員に対して支援を行う企業への奨励金制度をご紹介いたします。
不妊治療と仕事の両立支援をお考えの経営者の方は、是非ご参考ください。
1. 働く人のチャイルドプランサポート事業とは
東京都が実施する事業で、従業員の不妊治療と仕事との両立支援のための雇用環境整備の取組を推進する都内の企業をサポートするためのものです。
要件を満たせば、奨励金を受け取ることが可能です。
2.主な要件について
- 都内で事業を営む企業であること
- 就業規則を作成し労働基準監督署に届出をしている
- 不妊治療休暇制度、不妊治療休業制度、不妊治療のためのテレワーク制度等が就業規則その他規程に明文化されていない
- 都内に勤務する常時雇用労働者を2人以上、かつ6ヶ月以上継続して雇用している
- 都のホームページへの企業名等の公表に同意している
- 申請日を起点として過去6ヶ月の時間外労働の平均が月80時間を超える従業員がいないこと
- 企業等の代表者が本奨励金を利用または申請したことがない
以上が主な要件です。
詳細は以下リンク先をご参考ください。
参考:平成30年度 働く人のチャイルドプランサポート制度整備奨励金募集要項
3. 行うべき取り組みについて
① まずは東京都が実施する研修を受講する必要があります
研修を受講し不妊治療と仕事の両立に関しての事項を学びます。
②研修受講後に社内相談体制の整備を行います
研修を受講した両立相談員(男女各1名)を社内に配置します。
③ 不妊治療休暇制度または不妊治療休業制度の整備を行います
休業制度、休暇制度を新たに整備し、就業規則等に明記した上で所轄の労働基準監督署に届け出を行います。
尚、整備されるべき制度は以下になります。
- 不妊治療を理由に取得できる1年以上の休業制度
- 不妊治療を理由に取得できる年5日以上の休暇制度
④テレワーク制度の整備を実施
テレワーク制度を新たに整備し、就業規則に明記します。
⑤ 社内説明会を実施します
②の両立相談員を講師とし、全社員を対象に社内説明会等を開催し、①の研修で習得した不妊治療の基礎知識、③の不妊治療のための休業・休暇制度等を他の従業員に周知させます。説明会を受けた社員にはチェックリスト等で理解度の確認も実施します。
4.支給金額について
前述の取り組みの内①②③⑤を実施すると30万円が支給されます。
それに加えて、④のテレワーク制度の整備を行うと追加で10万円を受け取ることができます。
5.まとめ
前述の通り、不妊治療は「突発な休みが頻繁に必要」なこと「通院スケジュールを立てることが困難」なことに加えて、「不妊治療自体への理解」が世間に浸透していないことから、女性の退職者が多いことが問題となっています。
女性の活躍機会が増え、女性労働者も増えたことから不妊治療と仕事の両立は現代の課題といえます。
同事業の奨励金申請の事前エントリーは既に終了しましたが、今年度以降も不妊治療と仕事との両立をサポートする事業を東京都が実施するかも知れませんので、その際には自社制度の見直しおよび申請をご検討してみては如何でしょうか。
東京都の奨励金制度やその他助成金への申請をお考えの方は、ベネフィット社会保険労務士法人までお問合せください。
美容室、理容室、ヘアサロン、ビューティーサロンなど美容業に詳しい社会保険労務士・税理士が、助成金受給のための申請をサポートいたします。