特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)とは
2019年7月25日 カテゴリー: コラム
美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。
かなり前に就職氷河期と呼ばれる時代がありました。
時期的には、1990年代半ばから2000年代前半にかけてで、1990年代のバブル崩壊をきっかけに就職状況が一気に悪くなった時代です。
このような就職氷河期に就職活動をされていた方々の一部は、十分な就職機会が得られなかったため、自己のキャリア形成がしっかりと行えず、不安定な雇用を繰り返すケースがあります。
就職氷河期に該当する世代は様々ですが、前述した年代に社会人となった方や、2000年前後に大学を卒業した方が当てはまり、2019年(令和元年)現在では40歳前後の世代のことだとされています。
今回はこのような特定のケースに当てはまる方を正規社員として雇用した場合に受給できる助成金をご紹介します。
1.特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)の概要
特定求職者雇用開発助成金とは、高齢者や生活保護受給者、障害者等といった特定の求職者(就職が困難な求職者)をハローワーク等の紹介を通して、継続的に雇用することにより助成金を受け取ることができる制度です。
同助成金の安定雇用実現コースは、いわゆる就職氷河期に就職の機会を逃したこと等により十分なキャリア形成ができずに、長期にわたって不安定雇用を繰り返す方を支援することが目的です。
そのような対象者をハローワーク等の紹介を通じて、正規雇用労働者として継続的に雇い入れることで助成金が支給されます。
特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)は元々、特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース)という名称で運用されていましたが、今年(2019年)の4月1日から、名称が変更になりました。
2.対象となる労働者
雇用の対象となる労働者は下記すべてに当てはまる方となります。
- 雇い入れる時点での満年齢が35歳以上60歳未満であること
- 正規雇用労働者として雇用された期間の通算が1年以下で、雇い入れの前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない (一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者は除外)
- ハローワーク(民間の職業紹介事業者)等から紹介された時点で失業状態にあること(1週間の所定労働時間が20時間以上またはそれと同等の業務に従事する自営業者等は失業状態とみなさない)
- 正規雇用労働者として雇用されることを希望している方
3.対象となる事業主
事業主は以下の要件を全て満たす必要があります。
- 雇用保険の適用事業主
- 対象労働者をハローワークなどの紹介によって正規雇用労働者および雇用保険の一般被保険者として雇用
- 対象労働者の雇用管理に関する事項を管轄労働局長に報告
- 対象労働者の雇い入れの前後6カ月間に、事業主都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む)を行なっていない
- 対象労働者の雇い入れの前後6カ月間に倒産や解雇など特定受給資格者となる離職理由で離職した被保険者数が対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%を超えていない(特定受給資格者となる離職者が3人以下の場合を除く)
- 対象労働者の労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などを整備・保管する
4.支給金額
特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)では対象期間が6カ月ごとに区分され、各期ごとに一定額の助成金が支給されます。
支給対象期間は1年間で、企業規模により支給金額は異なります。
- 中小企業…支給額30万円×2期=総額60万円
中小企業以外(大企業)…支給額25万円×2期=総額50万円
参考:厚生労働省HP 特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)
5.まとめ
離職、転職を繰り返しているとなると、採用する側はためらうかもしれません。
しかしながら、単純に新卒の間の不況が原因で派遣やアルバイトといった非正規雇用社員として働かざるを得ず、その影響で転職を繰り返していた方もいます。
転職を繰り返していたということは裏を返せば適応できる能力が高い可能性もあるかもしれません。
また、基幹的な業務経験がなかったので、能力を発揮する機会を逃していたかもしれません。
最終的に雇用するかどうかは採用側次第ですが、もし、仮に本助成金の受給条件に当てはまる方を採用した場合・採用予定の場合は助成金申請をご検討ください。
特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)やその他の助成金への申請もお考えの方は、ベネフィット社会保険労務士法人までお問合せください。
美容室、理容室、ヘアサロン、ビューティーサロンなど美容業に詳しい社会保険労務士・税理士が、助成金受給のための申請をサポートいたします。