就業規則作成と助成金との関係について
2019年9月5日 カテゴリー: コラム
美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。
社員が働く際の賃金や労働時間、条件といった事項について定めた「就業規則」。
会社のルールブックであり、非常に大切なものですが、あなたの会社は作成していますか?
常時10人以上の労働者を雇用している会社であれば、就業規則を作成して所轄の労働基準監督に届け出ることが義務付けられていますが、常時雇用者が10人未満の場合には作成義務はなく、就業規則を作成されていない会社もあります。
「うちは従業員が少ないから、作成義務もないし要らない」と思っている方、実は就業規則は作成すると様々なトラブルを回避するメリットがあります。
加えて、就業規則があることで多くの雇用関係助成金の申請を行うことができます。
今回は就業規則作成の重要性と助成金申請との関係について解説をしていきますのでご参考ください。
1.就業規則とは
就業規則は、労働基準法等に基づいて、労働者が働く上で遵守すべき規律や労働条件に関する具体的細目について定められた規則のことを言います。
社員ごとの労働条件は個別の雇用契約書で定めますが、全社員に適用する労働条件は就業規則で定めることが一般的です。
また前述した通り、常時雇用の労働者が10人以上の企業においては就業規則作成と所轄の労働基準監督への届け出は義務となっています。
違反すると30万円以下の罰金刑が科されてしまいます。
2.就業規則を作成することの意味
(1)社員とのトラブル防止
就業規則がないとなると突発的事項に対処できません。
- 急な社員の欠勤や退職への対応
- 社員一人ひとりの業務用PCのログチェック
- 勤務態度に問題のある社員への対応(懲戒解雇の実施)
上記のような事項があった際はあらかじめ会社と全社員の間に取り決められたルールブックに則って対応を進めることができます。
しかし、ルールブックがなければ、お互いに正当性を主張し合う争いが生じる可能性があります。
(2)企業イメージを損なわない
就職活動や転職活動をされている方は、不安を感じる会社やいい加減な会社に入ろうとは思いません。
就業規則がない会社は「ルールのない会社」としてイメージが悪化し、採用等の人材確保が困難になります。
(3)助成金申請に必要
雇用関係助成金の受給には、従業員10人以下の事業所でも多くの場合に就業規則の作成が必要です。
雇用関係の助成金は、多くが労働環境の改善と生産性の向上を目的とした制度のため、労働のルールブックはあって当然だからです。
キャリアアップ助成金や時間外労働等改善助成金といったポピュラーな助成金の申請にも当然就業規則が必要になります。
3.就業規則作成の際の注意
これから就業規則の作成を考えている方は以下の点にご注意ください。
(1)一度作成した就業規則は簡単に変更することはできない
就業規則を変更する際は、一方的な変更で労働者が不利益を被らないために労働者の代表に意見を聴かなければなりません。
内容を吟味せず社員側に有利に作りすぎた結果、後々の変更が面倒だったということはよくあります。
(2)明確でわかりやすく事業場の実態にあったものを作成する
就業規則は会社のルールブックなのできちんとしたものを作成しなければなりません。
テンプレートを用いて適当に作成を行ってしまうと
- 就業規則が法律に違反しており、損害賠償を請求される
- 固定残業代の規定が不十分で、多額の残業代支払いが発生する
といったことも起こります。
また、しっかりした就業規則でなければ助成金受給対象から外れることもあります。
作成が不安な場合には、専門の社労士に依頼して作成支援およびチェックをしてもらう方法もあります。
4.まとめ
スタートアップ企業でも利用可能な助成金制度はあります。
これらの助成金受給要件には、多くの場合に就業規則作成が条件になっています。
そのため、助成金利用を考えているのであれば、雇用している社員が10人未満でも就業規則を作成しましょう。
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