最低賃金改定対策に有効!2019年度業務改善助成金について
2019年10月17日 カテゴリー: コラム
美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。
10月1日の最低賃金改定により、東京では遂に最低賃金額が1,000円台を突破しました。
自社の給料が最低賃金割れをしないことだけでなく、将来的な事業継続のためにも、各企業は様々な対策を講じていく必要があります。
その対策の1つとして助成金の活用という方法があり、各事業場の最低賃金の引上げを支援する助成金制度として「業務改善助成金」があります。
この助成金、今年は内容が変更されていることに注意が必要です。
本記事では2019年度の業務改善助成金について詳しく解説をしていきますので、いくらもらえるのか、今年度は対象となりうるのか、それぞれの項目についてチェックしてください。
1.業務改善助成金とは
業務改善助成金は中小企業や小規模事業者の生産性向上を後押しして、最も低い賃金の事業場における賃金アップを目的とした助成金制度です。
生産性の向上に必要な設備投資を行い、事業場内の賃金を一定額以上アップした場合に、賃金をアップした労働者数に応じて助成金を支給するという内容です。
尚、賃金引き上げの単位は事業場であり、企業ではありません。
例えば、本社が東京で工場が大阪にある場合、それぞれは違う事業場となります。
また、過去に業務改善助成金を受給したことのある事業場であっても、助成対象となります。
これは毎年最低賃金が改定され、ここ数年は上がり続けていることを考慮しているからでしょう。
2.対象企業
2019年度では2つのコースが用意されており、各コースによって対象が若干異なります。
- 事業場内最低賃金800円未満の事業場
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
- 事業場規模30人以下の事業場
②30円コース
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
- 事業場規模30人以下の事業場
前年度は事業場内最低賃金 1,000円未満の中小企業・小規模事業者が対象だったので、対象が変更となってしまっていることに注意しましょう。
美容室、サロン経営等の場合、同じ店舗で働いている従業員は30人以下であることが多いので対象になりやすいといえます。
また①のコースについて、最低賃金が800円を割っている地域は、東北や中四国、九州の一部地域に限られるため、対象の事業場はとても絞られます。
3.支給要件
支給要件は以下の通りです。
- 賃金引上計画を策定し、事業場内の最低賃金を引き上げる(就業規則等に規定すること) ・賃金を引上げた後に実際に賃金を支払う
- 生産性向上のための設備投資を行う(費用を支払う)
- 解雇や賃金引下げ等の不交付事由を行わない
4.設備投資の例
設備投資の例を以下に並べます。
- POSレジシステムの導入費用
- リフト付き特殊車両の導入費用
- 顧客管理システムの導入費用
- 経営コンサルタントによる現場管理システムの導入費用
- 人材育成・教育訓練費用
美容室、サロン経営の場合、高機能なヘアアイロンの導入やウェブサイトへのメール配信システム導入等も対象となります。
対象かどうかわからない場合は助成金申請専門の社労士事務所にご相談することをおすすめいたします。
尚、以下に該当する経費は対象外です。あくまで生産性アップのための設備投資であることに注意してください。
- 単なる経費削減のための経費
- 職場環境改善経費
- 通常の事業活動のための経費
5.支給額について
支給額については各コースによって異なります。
6.まとめ
業務改善助成金はただ単に従業員の賃金アップをすることだけでなく、設備投資を行って生産性アップを図る目的もあります。
企業の生産性がアップすれば利益となって会社に還元され、事業継続にも繋がっていきます。
最低賃金は来年以降も引上げが予想されており、各企業が対応に追われることとなりそうですが、自社の給料が最低賃金割れをしないためや将来的な事業継続を見据えて、同助成金の活用をしてみては如何でしょうか。
業務改善助成金やその他の助成金への申請をお考えの方は、ベネフィット社会保険労務士法人までお問合せください。
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