令和元年度補正の中小企業生産性革命推進事業について(概要とポイント)

2020年2月27日 カテゴリー: コラム タグ: , , , , , , , , , ,

美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。

 
昨年の12月13日に経済産業省が公表した資料によると、令和元年度補正予算の中で最も多く予算が割かれているのが「中小企業生産性革命推進事業」の3,600億円です。

このコラムでは同事業の概要やポイントについて解説いたします。

 

 

1.事業の概要と目的


 
同事業の目的は、中⼩機構が複数年にわたり中⼩企業の⽣産性向上を設備投資、IT導⼊、販路開拓等といった部分から継続的にサポートすることです。

具体的に言えば、「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」の3大補助金を一つにまとめたもので、平成30年度第2次補正予算から引き継がれ、予算も大幅に増加しました。
 

なお、事業全体の予算は3,600億円ですが、これは3年かけて支出されるもので、単年としては1,200億円となるようです。
 

 

2.ポイント


 

(1)電子申請が原則化

 
2020年から国が実施する補助金の申請は、原則として電子申請となります

それに伴い、公募から事後手続まで全プロセスをデジタル化した政府公認の補助金申請システムである「jGrants」が今年から運用されています。
 

事業者間のITリテラシー格差の問題はありますが、電子申請システムを使うことによって、手間やコストカットにもつながるので、地方自治体が実施する補助金等にも電子申請の原則化は広がっていくと考えられます。

参考:jGrantsについて

 

 

(2)公募回数を増やすことで通年公募できるようになる

 
従来の公募回数は年間に1〜2回程度と少なく期間も短いために、申請内容や取り組みに関する質が低くなるという課題がありました。

同事業では公募回数が増えて、実質的に通年公募が可能になったため、申請者数の増加と事業品質の向上が見込めます。
 

 

(3)過去3年以内に同じ補助金を受給している事業者は減点される

 
新規事業者の申請を増やすための措置と思われます。毎年のように補助金申請と受給をしている企業は採択のハードルが上がってしまいます

逆に言えば、今まで補助金申請に消極的だった事業者の方はハードルが下がるので、申請を行った方が良いでしょう。
 

 

(4)給与アップが申請要件化

 
経産相の資料には、

『当該事業を通じて、賃上げにも取り組んでいただきます。なお、積極的な賃上げや被用者保険の任意適用に取り組む事業者は優先的に支援します。』とあり、

「給与支給総額が年率平均1.5%以上向上」、「事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上」という条件が補助金の申請要件になっています

 

 

3.基幹となる補助金制度


 
年1,200億円の内訳としては、下記3つの補助金になります。

①ものづくり補助金
目的:中小企業や小規模事業者が行う、新商品開発や生産プロセス改善に必要な設備投資をバックアップ
補助金:100~1,000万円
補助率:中小企業が1/2、小規模事業者で2/3

②持続化補助金
目的:小規模事業者の販路開拓や生産性向上への取組をバックアップ
補助金:~50万円
補助率:2/3

③IT導入補助金
目的:バックオフィス業務の効率化等といった付加価値を上げるためのITツールの導入支援
補助金:30~450万円
補助率:1/2

 

各補助金に対する昨年度補正の予算配分合計は1,100億円のため、年間予算だけで見れば100億円の増額となります。
 

昨年度の予算配分は各補助金の事務局公募要領から参照すると

ものづくり補助金:800億円
持続化補助金 :200億円
IT導入補助金:100億円

となっていましたが、今年も同じように配分されるのかは不明です。
 

公募回数が増えて通年公募が可能になることを考えれば、配分率はそのままで増加予算分は等しく配分されるのではないでしょうか。

 

 

4.まとめ


 
令和元年度補正における中小企業生産性革命推進事業の概要とポイントについて解説いたしました。次回は各補助金の内容について解説いたします。

 

 
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