雇用調整助成金制度における更なる拡充【新型コロナウイルス感染症対策】

2020年5月7日 カテゴリー: コラム タグ: , , , , , , , , , ,

美容業助成金サポートならお任せ!ベネフィット社会保険労務士法人の櫻井です。

 
新型コロナウイルス感染症の影響で、大幅な売上低下や休業に見舞われる企業を救済し、経済損失を少しでも減らす対策として、厚生労働省では「一部の助成金制度を従来よりも受給しやすくする」等の企業支援策を行っています。
 

以前のコラムでも述べましたが、従業員を一時的に休業または出向させることで助成金を受給できる「雇用調整助成金」についても、助成率を上げたり要件を緩和するなどの特別措置が取られています。

過去記事:新型コロナウイルスに伴う助成措置【雇用調整助成金】

 

そんな雇用調整助成金ですが、4月25日に厚労省から更なる制度拡充が発表されています
 

詳細については、5月上旬を目途に発表される予定ですが、主な内容としては

各都道府県の自治体より休業要請を受けた中小企業が、従業員の解雇をせずに100%の休業手当を支払う場合において、その休業手当負担を助成する」ものです。
 

 

雇用調整助成金の概要


 
同助成金の目的は、不況等で業績が低下した企業の雇止めや解雇を防止することです。

業績低下となった企業が特定要件を満たした上で、休業や教育訓練・他の会社への出向など従業に対して雇用の調整を実施すると助成金を受給できます
 

この雇用調整助成金は昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で、生産指標要件の撤廃や助成率の引き上げ、対象労働者範囲の拡大といった措置が行われていました。
 

 

新たな拡充内容について


 
そんな雇用調整助成金ですが、4月25日に厚労省より更なる拡充が発表されています。

具体的には

  • 休業手当を60%を超えて支給する場合、その部分に係る助成率を100%にする
  • 各都道府県知事からの休業要請を受けた場合は、一定の要件のもとで、休業手当全体の助成率を100%にする

となっており、休業に苦しむ企業の負担を更に軽減する内容になっています。

 

(1)休業手当の支払率60%超の部分は助成率が10/10

 
従来であれば、助成率は中小企業で2/3、大企業で1/2でしたが、先日の緊急対応策では中小企業は4/5、大企業についても2/3に上げられました。また、従業員を全く解雇しない場合は中小企業は9/10、大企業は3/4に上昇します。

今回の拡充案では、中小企業が解雇をせずに、賃金の60%を超えて休業手当を支給する場合、その60%超の金額ついては全額支給(助成率10/10)となります
 

ある中小企業が1人も解雇せずに休業手当を平均賃金の100%で支給している場合、法定上の6割分までを最大4/5の9割支給してもらい、残り4割分を今回の拡充案で10割助成することが可能です。(その場合、会社負担はわずか6%です。)

上限は対象労働者1人1日あたり8330円で、教育訓練にも適用できます。

 

(2)一定要件を満たすと、休業手当全体の助成率が10/10

 

  • 各都道府県から要請があった上で休業を行っている
  • 労働者に100%の休業手当を支払っている
  • もしくは上限額8,330円以上の休業手当を支払っている(同金額は支払率の60%以上であること)

 
上記の要件を満たすと、休業手当全額を受給できます

緊急事態宣言を受けて休業を要請された企業は申請を検討した方が良いでしょう。
 

(1)と同じく上限は対象労働者1人1日あたり8330円で、教育訓練にも適用できます。
 

 

従来制度からどう変わるか


 
4/25発表の拡充を加えた上で、雇用調整助成金が従来制度と比べてどう変わっているか、比較してみました。
 
■通常時の場合

対象となる事業者…雇用保険適用者
業績要件…直近3ヶ月の売上高が前年同期比10%以上減
対象となる従業員…被保険者
助成率…中小企業2/3、大企業1/2
支給限度日数…1年100日、3年150日
残業相殺について…対象休業の延べ日数から、残業や休日出勤をさせた分を控除する
申請手続き…計画書は申請書とともに提出

 
⬇︎

■新型コロナ特例措置(今回の拡充案含む)

対象となる事業者…雇用保険適用者であること、新型コロナウイルスで業績低下となっている
業績要件…直近1ヶ月の売上高などが前年同期比5%以上減
対象となる従業員…被保険者でなくても良い
助成率…中小企業4/5、大企業2/3、 解雇なしなら中小企業は9/10、大企業は3/4(更に要件を満たせば休業手当60%超部分の助成率100%もしくは休業手当全体の助成率100%)
支給限度日数…1年100日、3年150日+2020年4月1日〜6月30日の日数
残業相殺について…撤廃
申請手続き…計画書の提出が事後でもOK、申請書類の記載事項を約5割減、1年間のクーリング期間撤廃

 

 

申請件数は殺到している


 
現在、雇用調整助成金の申請は急増しています
 

労働局の相談コーナーにも申請の相談をする人たちが殺到しており、対面相談の予約が1ヶ月待ちの地域もある様です

「支給対象になるのか」「受給率は何割になるのか」を問い合わせるだけでも、かなりの手間と時間がかかってしまいます。

緊急事態宣言の延長も調整されている影響で、5月以降の申請は更に増加するとみられます
 

申請についてわからないことが多く、不安な場合は、助成金専門の社労士に相談をして申請を代行してもらう方法もあります。

上手く助成金を活用して、コロナウイルス収束まで乗り切りましょう。

 

 
助成金の申請をお考えの方は、ベネフィット社会保険労務士法人までお問合せください。

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